暑い夏の慌ただしい午後、電話の音が仕事場のざわめきを遮りました。代表は受話器の向こうから届く願いに静かに耳を傾けました。
「曾蕰玉おじいさんの書の舞台、人生の幕を下ろす」
曾さんのお孫さんが100点以上の書の作品を持ってStickerHDを訪れ、おじいさんが親しい人たちに残す記念品にしたいと相談してくださいました。
話し合いを重ね、曾さんの力強い筆致を落ち着いた和紙ステッカーで再現しました。「萬事莫如為善樂」の文字を入れたチャームも製作し、筆跡に面影を感じながら身近に持てる形に。曾さんと奥様の深い絆を記念して、表紙には稲わら入りの紙のステッカーを選びました。
内側には曾さんの署名、追悼文、生前よく使われた朱印を印刷。「長安樂」と「放懷」の二つの印を選び、ご家族や奥様が悲しみに沈みすぎないよう願いを込めました。この記念品は、書の技をたたえるとともに、その生き方をしのぶものです。
追悼文
曾蕰玉さん(1936~2023年)、享年88。 福建省泉州府恵安県の出身。幼くして両親を亡くし、14歳で兄と台湾へ渡りました。独力で宝飾事業を興し、20人以上の弟子を育てました。 事業で成功した後も、毎年故郷に戻り、恵安県の橋、道路、住宅の整備に尽くしたと伝えられています。妻の曾駱良珠さんとは深い愛情で結ばれ、二人の仲の良さは周囲にも知られていました。4人の息子と1人の娘に恵まれ、子どもたちもそれぞれの分野で社会に貢献しています。
引退後は書を愛し、古典の名筆を繰り返し手本にして鍛錬しました。中華書法伝承学会の名誉理事、長春書画学会の常務理事を務め、作品は国内外でたびたび展示され、多くの賞を受けました。 曾蕰玉さんは6月19日の午後、痛みや病苦なく旅立たれました。 その生涯を通した精神は、ご家族と人々の心に残り続けます。
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